あなたは日常会話で、「一般ピープル」や「パーティーピーポー」という言葉を、どんな発音で使っているでしょうか。
多くの人にとっては、深く考えたこともない、取るに足らない違いかもしれません。
しかし改めて聞かれると色々と考えることがあるのではないでしょうか?
きっかけは、英会話カフェ編集部内での何気ないやり取りでした。
40代の編集長が、会話の流れでこう口にしました。
「まあ、それは一般ピープルの意見だからね」
すると20代の部下が、間髪入れずにこう返したのです。
「編集長、今は『ピーポー』ですよ。『ピープル』って、なんか違和感すごいっす」
この一言に、場の空気が少しだけ止まりました。
違和感を覚えたのは、若者だけだったのでしょうか。
それとも、気づいていないだけで、誰もが同じ感覚を抱えているのでしょうか。
果たして、世間の主流は「ピープル」なのか、「ピーポー」なのか。
そしてその選択は、単なる発音の癖なのか、それとももっと別の理由によるものなのか。
この疑問を確かめるため、英会話カフェ編集部では、10代から60代以上の男女200名を対象に緊急アンケートを実施しました。
集まったのは、数字だけではありません。
そこには、「分かる」「まさにそれ」と、多くの人が頷いてしまう本音が、はっきりと言葉として残されていました。
【調査概要】「『ピープル』『ピーポー』の発音に関する意識調査」
調査期間:2026年2月5日~2026年2月6日
調査対象:10代~60代以上の男女200名
調査方法:インターネット調査(無記名式)
【記事等でのご利用にあたって】
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・引用元が英会話カフェ(https://kodomoeigobu.co.jp/media/)である旨の記載
■事件は「50代」で起きている。残酷な世代間ギャップ
まずは、「会話の中でどちらの発音を使いますか?」という質問に対する回答を、年代別に見てみましょう。
結果は、はっきりとした世代差を示していました。

10代・20代では、約9割が「ピーポー」派。
この世代にとって「ピープル」は、ほとんど使われない言葉です。
30代・40代でも、依然として「ピーポー」が優勢ですが、40代に入ると、どちらを使うか迷う層が少しずつ現れ始めます。
そして50代。
ここで状況は一変します。
50代では「ピープル」派が過半数となり、若年層で常識だった「ピーポー」が、ここで逆転されるのです。
若者にとって当たり前の発音が、50代に入った瞬間、当たり前ではなくなる。
この地点に、今回の調査の核心がありました。
■「ピープル」は古いのか?──全世代の共通認識
次に、「ピープルという響きに古さを感じるか」という質問の結果を見てみます。

この問いに対する回答は、世代を超えて驚くほど共通していました。
10代・20代だけでなく、30代、40代、そして50代・60代以上においても、およそ6割前後が「ピープルは古い響きだと感じる」と回答しています。
つまり、「ピープルは古い」という感覚は、若者だけのものではありません。
むしろ、ピープルを実際に使っている世代自身も、半分以上はその言葉を古いと認識しているのです。
ここで重要なのは、「古いと感じる人が多い」という事実そのものではありません。
それが、ピープル派が多数を占める50代・60代においても変わらない、という点です。
この結果は、
「ピープルが古いと感じられているから、使われなくなった」
という単純な説明が成り立たないことを示しています。
■古いと分かって、それでも「ピープル」を使うという選択
さらにデータを詳しく分析すると、より踏み込んだ実態が浮かび上がります。

50代・60代で「ピープル」を使っている人に限定して集計したところ、その過半数が「ピープルは古い響きだと感じている」と回答していました。
つまり彼らは、「ピープルが古いことに気づいていない」のではありません。
また、「若者の感覚についていけていない」というわけでもありません。
古いと分かったうえで、あえてピープルを選んでいる人が一定数います。
この結果は、「ピープル派=感覚がアップデートされていない」という単純な見方を否定します。
そこにあるのは、無自覚な惰性ではなく、何らかの判断を経た選択です。
では、彼らは何を基準に発音を選んでいるのでしょうか。
古いと分かっていながらピープルを使う理由として、まず考えられるのは次の二つです。
一つは、長年使ってきた発音のほうが体に染みついており、無意識に「自然に出てしまう」という可能性。
もう一つは、英語力の差です。
まずは、「自然に感じる発音をそのまま使っているだけではないか」という仮説から検証してみます。
■ただ自然に感じているだけ?英語力の問題?

10代・20代では、「ピーポーの方が自然だ」と感じ、そのまま日常会話でもピーポーを使っている人が100%でした。
感じ方と実際の行動が一致しており、発音の選択に迷いはほとんど見られません。
一方、30代以降になると、その一致は少しずつ崩れ始めます。
特に50代・60代では、「ピーポーのほうが自然だ」と感じているにもかかわらず、実際には「ピープル」を使っている人が一定数存在していました。
つまりこの層では、「自然だと感じる発音」と「実際に使う発音」が完全には一致していないのです。
この結果から自然さもあるが単に、「慣れているから」「自然だから」という説明だけでは不十分であることが分かります。
では、もう一つの可能性である「英語力の差」はどうでしょうか。
感覚的には、「ピーポー」のほうがネイティブ発音に近く聞こえます。
もし英語力が影響しているのであれば、英語が得意な人ほど「ピーポー」を使っているはずです。
そこで、「英語が得意な人ほど、ネイティブ寄りの発音を使うのではないか」という仮説を立て、英語に対する自己評価別に分析しました。

しかし、40代までに限って見ると、英語が得意な人も苦手な人も、いずれも「ピーポー」が多数派でした。
英語力による多少の差は見られるものの、発音が大きく分かれる様子はありません。
さらに50代・60代以上では、英語が得意と答えた人の中にも、「ピープル」を使っている人が半数ほど存在していました。
英語ができるから「ピーポー」、できないから「ピープル」。
そのような単純な説明では、この現象は説明できないことが、ここで明確になります。
■なぜ「ピープル」が残るのか──響きへの抵抗感
自由記述欄を精査すると、「ピープル」を選ぶ理由は、英語力の不足や発音知識の欠如ではないことがはっきりします。
40代以降の回答者も、英語としては「ピーポー」の方がネイティブに近いことを理解しています。
- 「英語の発音に近いのはピーポーだと思うが、日本語の響きとしてはピープルの方が自然に感じる。」(40代)
- 「ネイティブスピーカーはピーポーと発音すると思います。」(40代)
- 「英語の発音的には『ル』はないので、ピーポーの方がネイティブの発音に近いと思う。」(50代)
- 「実際の英語の発音に近いのは『ピーポー』だと思います。」(60代以上)
つまり、「どちらかといえばピーポーが正しい」「ピープルのほうが英語的には不正確だ」という認識自体は、世代を問わず広く共有されています。
それでもなお、日常会話で「ピープル」が選ばれる場面が多い。
その理由として、自由記述で繰り返し現れていたのが恥ずかしさ・気取って見えることへの抵抗でした。
- 「ピーポーの方は少し恥ずかしさを感じるものの…」(40代)
- 「ピーポーのような使い方はわざとらしさが強くて印象が良くない」(40代)
- 「どちらもカッコつけている風で口に出すのは少し恥ずかしい。」(30代)
- 「改めて両方を見返すと、なんだかバカっぽくて恥ずかしい。」(40代)
- 「ピーポーと使ったほうが英語の発音に近いが、いざ、皆の前で使うとなると…恥ずかしい気持ちになり、あえて、ピープルと発音してしまう」(50代)
- 「日本人が無理にネイティブ発音すると、正解でも嫌われる(気取ってみえる)」(50代)
ここで問題になっているのは、正しいかどうかではありません。
「英語ができる人に見えるか」ではなく、
「気取っていると思われないか」「浮かないか」「場に合っているか」という、日本語会話における対人リスクです。
実際、英語力があると自認する人ほど、その使い分けを意識している様子も見られます。
- 「英語を話すことができます。なので、英語で話すときはピーポーと発音しますし、日本語で話してる時はピープルという時があります。」(50代)
つまり「ピープル」は、
単に昔覚えて親しんだ使い方という以外にも、
分かったうえで、恥ずかしさや場の空気を回避するために選ばれていることがあると言えます。
以下は自由記述欄の傾向を数値的に分けたグラフです。

この視点に立つと、
「ピープル派=感覚が古い」「アップデートされていない」という見方だけでは成り立ちません。
そこにあるのは、
英語的正しさと、日本語社会における無難さのあいだで行われる、
極めて意識的な配慮なのではないでしょうか?
■ まとめ:あなたの「ピープル」は、どのピープル?
今回の調査で明らかになった最も重要な点は、次の一点です。
「ピープル」を使っている人の中には、その言葉を古いと認識していて使う人がいる。
それでも使う理由は、人それぞれです。
若者のピーポーは、自然で、言いやすい響き。
大人のピープルは、「軽く見られたくない」「浮きたくない」という判断の結果。
もし、あなたの職場の上司が「一般ピープル」と言っていたとしても、
それは時代に取り残された証拠ではないのかもしれません。
彼は、若者っぽい発音を封印し、
その場の空気と人間関係を守ろうとしている「調整役」なのではないでしょうか。
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